RUBY EYE
(やだ、変な感じ・・・・・・)
口腔内に入って来る、十夜の舌。
ゾクリとした感覚が背筋を伝い、肌が震えた。
「ん・・・・・・んっ」
頬を赤らめて、月野の手が宙をさ迷う。
その手を、十夜が優しく握り締めた。
(なんだろう? 気持ち悪くなくて・・・・・・)
慣れないキスに戸惑う月野を気遣い、十夜は、時折息を吸わせながら、キスを繰り返した。
「・・・・・・はぁ」
唇を離すと、月野は焦点の定まらない目で、十夜を見つめた。
微かに潤む瞳が、艶っぽい。
「なんで・・・・・・」
「消毒だ」
消毒?
何の??
聞き返そうにも、なんだか頭がうまく働かない。
「月野、もう眠った方がいい」
「でも・・・・・・」
「眠るまで、傍にいてやるから」
ベッドに横たわらせ、十夜は月野の髪を撫でる。