RUBY EYE
黒と赤と白
―――ピピピッ
(朝? 起きなきゃ・・・・・・)
目覚まし時計の鳴る音が頭に響いて、月野はうっすらと目を開けた。
―――ピピ・・・・・・ッ
「・・・・・・?」
うるさかった目覚まし時計が、見つける前に静かになった。
月野は少しだけ頭を動かして、目覚まし時計がある場所を見た。
「綾織、くん?」
制服をきちんと着た十夜が、目覚まし時計のスイッチを切ったらしい。
「あ、学校・・・・・・」
「今日は休んでろ。美鶴さんも、そう言ってる」
「でも、具合が悪いわけじゃないし」
ずる休みは良くないと、体を起こそうとする月野。
そんな月野を、十夜が優しくベッドに横たえる。
「・・・・・・っ」
近くなる顔の距離に、月野は思わず顔を背けた。
昨夜のキスがありありと浮かんで、十夜の顔を直視できない。