RUBY EYE

まぁ、好奇や羨望の入り混じった視線を向けられるのは好きじゃないが、関わろうとしてこないのは助かる。

特進クラスだと、愛理や鷹斗、他のヴァンパイアが寄って来るから。


(ひとりは、久しぶりだな・・・・・・)


窓から見える青空を眺めて、十夜は小さくため息を漏らした。










カチ、カチッ。

マウスを動かし、慣れた様子でクリックする。


時刻はお昼過ぎ。

何もすることが浮かばなくて、月野は部屋に置かれたノートパソコンで暇を潰すことにした。

検索ワードは、【ヴァンパイア】。


「コウモリに変身・・・・・・」


さすがに、それは無いだろう。

月野は首を振り、パソコンを閉じた。


(お父さん・・・・・・)


携帯の通話履歴に残る、父の名前。

逃げ出したくなったら、いつでも迎えに来ると言ってくれた。


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