RUBY EYE

「どうかしたんですか?」


気になって、月野は声をかける。


「来週、音無家が集まるのよ」

「来週? 早いな」


十夜が眉間に皺を寄せる。


「おかげでこっちは大忙しよ。客間の掃除や、食材の手配。もう、猫の手でも借りたいところだわ」

「手伝いましょうか?」

「いいのよ。そんなことより、ふたりとも何で濡れてるの?」


月野と十夜の姿に、椿が首を傾げる。


「あ、これは・・・・・・」

「早くお風呂入ってきなさい。十夜、あんたは月野ちゃんの後に入るのよ」


そう言って、椿はまた、忙しそうに動き出した。


「私、後でも大丈夫よ」

「いいから入ってこい」


十夜に背中を押され、月野は仕方なくバスルームへ向かった。





「十夜、その格好はどうかしたの?」


タオルでとりあえず髪を拭いていた十夜に、通り掛かった美鶴が怪訝な視線を向けた。


「海で、ちょっと」

「・・・・・・そう」


< 127 / 403 >

この作品をシェア

pagetop