RUBY EYE
「どうかしたんですか?」
気になって、月野は声をかける。
「来週、音無家が集まるのよ」
「来週? 早いな」
十夜が眉間に皺を寄せる。
「おかげでこっちは大忙しよ。客間の掃除や、食材の手配。もう、猫の手でも借りたいところだわ」
「手伝いましょうか?」
「いいのよ。そんなことより、ふたりとも何で濡れてるの?」
月野と十夜の姿に、椿が首を傾げる。
「あ、これは・・・・・・」
「早くお風呂入ってきなさい。十夜、あんたは月野ちゃんの後に入るのよ」
そう言って、椿はまた、忙しそうに動き出した。
「私、後でも大丈夫よ」
「いいから入ってこい」
十夜に背中を押され、月野は仕方なくバスルームへ向かった。
「十夜、その格好はどうかしたの?」
タオルでとりあえず髪を拭いていた十夜に、通り掛かった美鶴が怪訝な視線を向けた。
「海で、ちょっと」
「・・・・・・そう」