RUBY EYE

小野瀬が月野の背に手を添える。


「何か、体が温まるものを入れて差し上げます」

「小野瀬さんが?」

「意外ですか? 椿に家事を叩き込んだのは、私ですよ。もちろん、お茶の美味しい入れ方も」


小野瀬は優しく笑いながら、月野とキッチンへ向かう。

小野瀬の入れてくれたココアは、本当に美味しかった。

その温もりに、月野はずっと、穏やかな笑みを浮かべていた。


< 132 / 403 >

この作品をシェア

pagetop