RUBY EYE
初めて会ったのは、いつだったか。
例えるなら、蝶のように華やかで、プライドの高い女性だ。
「でも、ずっと部屋にいるのは・・・・・・」
アウトドア派じゃないけど、息が詰まる気がする。
「なら、俺と遊ぶか?」
「遊ぶ、って・・・・・・」
その表現はどうだろう。
まるで、子供に言っているみたいだ。
「冗談だ。暇潰しに、話くらい付き合う」
「話かぁ。じゃあ、質問してもいい?」
十夜が頷くと、月野はイスから下りて、床に座った。
十夜も床に座り、お互いが向かい合う。
「誕生日は?」
「そういう質問か・・・・・・。2月14日」
「バレンタイン?」
「あぁ。毎年、誕生日プレゼントにチョコレートがついて来るのは、嫌気がさす」
甘い香りは好きな方だが、甘いものは嫌い。
あの口の中に残る甘ったるい感じが、どうにも好きになれない。