RUBY EYE
「手は大丈夫? かなり大きな音がしていたし、痛むんじゃないかな?」
そう言って、静貴は月野の手を取った。
「あぁ、赤くなってる」
まるで、自分のことのように心配してくれる静貴に、月野は頬を赤らめてしまう。
「綺麗な白い手なのに。・・・・・・可哀相に」
―――チュッ。
赤くなった手の甲に、静貴が慣れた仕草でキスを落とす。
「な、何・・・・・・」
驚いた月野が、咄嗟に手を引っ込めた。
「あぁ、ごめんね。いきなりこんなことをしたら、驚くよね」
「い、いえ・・・・・・」
キスされた手の甲が熱くて、月野は戸惑う。
この人からは、今のところ恐怖は感じない。
「何日かはここに泊まるから、その間に是非とも、仲良くなりたいな」
「は、はぁ」
何と言えばいいのか。
優しいその笑顔と雰囲気に、たらしこまれそう。