RUBY EYE
十夜の美しさと力があれば、それは容易だ。
「俺は、彼女を守るために傍にいるんです」
血を飲むためじゃない。
ハッキリと告げ、十夜はキッチンに姿を消した。
「ふふふ。楽しいなぁ」
妖しい笑みを浮かべて、静貴はその場から立ち去った。
「あんた、顔色悪いわよ」
昼休み、女子トイレで手を洗う月野に、愛理が声をかけた。
「そう・・・・・・?」
「なんか、顔赤いし。おでこ出して」
言われた通り、月野は前髪を上げておでこを出した。
「・・・・・・熱い。風邪でも引いたんじゃない?」
「風邪?」
月野は自分のおでこを触るが、熱いのかどうか、わからない。
「十夜に連絡するから、待ってなさい」
「うん・・・・・・」
なんだろう?
視界がぐるぐる回って、気持ち悪い。