RUBY EYE

(桜太くん・・・・・・)


自分を襲った相手の心配をするのは変だ、と鷹斗に言われたが、まだ14歳の男の子。

冷たいかもしれないが、浦部のことは気にもしなかった。

けれど桜太は、月野から見れば、まだ子供なんだ。


「聞いてるか?」

「あ、ごめんなさい」


全然聞いていなくて、十夜にため息をつかれた。


「悩みでもあるのか?」

「ううん、大丈夫」


月野は笑みを返し、ノートに視線を戻した。


「・・・・・・」


十夜は気にしながらも、深く追求しなかった。










雨が降って、グラウンドが濡れていく。

月野は学校の外で十夜を待ちながら、ジッと濡れていくグラウンドを見つめていた。


「月野ちゃん」

「・・・・・・香堂くん」


傘をさした鷹斗が、月野に歩み寄る。


「処分、決まったよ」


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