RUBY EYE
「考えすぎ、かしら・・・・・・」
椿はキッチンを出て、美鶴の元へと足を向けた。
―――コンコン。
扉をノックして、月野は返事を待つ。
「どうぞ〜」
「お邪魔します」
椿の部屋に入るのは初めてで、緊張してしまう。
月野の部屋と同じくらいの大きさで、物が少なく、綺麗に整頓されている。
壁にかかる猟銃らしきものが気になるが。
「どうしたの?」
「あ、これを返しに来ました」
「ん?」
差し出されたのは、銀色のナイフ。
結局、使うことはなかった。
「月野ちゃんが持ってなさい。小さいから、服の中にも隠せるし」
「でも・・・・・・」
小さくとも、刃物は刃物だ。
持ち歩くのは怖い。
「お守り、でしょ?」
「でも、いいんですか? 大事なものなんじゃ・・・・・・」
椿はメイド服を脱ぎ、普段着へと着替えはじめた。