RUBY EYE
「十夜にもしちゃダメよ?」
「あ、綾織くんに? そんなことしませんっ」
月野が全力で否定する。
(あら? 顔が真っ赤)
鷹斗の時は普通だったのに、十夜だとダメなのか。
(ふぅん、そういう事か。でも、そうなると鷹斗が不憫ね)
椿は他人事のように思いながら、赤くなる月野を見つめる。
「花村さん?」
「なんでもないわ。さてと、お風呂に入ってサッパリしてこようかな」
「あ、私は部屋に戻りますね」
部屋を出ていく月野の背に、椿が思い出したように声をかける。
「しばらく、学校が終わったらすぐに帰ってきてね!」
「は、はぁい」
月野は返事をすると、早足で部屋へと戻っていく。
その姿を見送ってから、椿はバスルームへ向かうことにした。