RUBY EYE
それに、出かけても屋敷の事が気になって仕方ないと思う。
「そんなんじゃ、婚期逃すぞ」
「あんたって、ホントに失礼ね。いいのよ、別に結婚したい、って思ったことないし」
十夜をキッチンから追い出すと、椿は紙袋から新鮮な果物などを取り出した。
並べられたたくさんの水着を眺めながら、月野はため息を漏らす。
(海か・・・・・・。私、泳げないんだよね)
夏になっても、海やプールには行かなかった。
だから、水着も持っていない。
「いいの見つかった?」
「え、えっと・・・・・・とりあえず、ワンピースタイプの水着にしようとは思ってるけど」
月野の答えに、愛理は不満げな顔をする。
「私が選ぶ」
そう言うと、愛理はいくつか水着を手に取り、試着室へと向かった。
「はい、まずはこれ」