RUBY EYE

桐条 摩耶。

十夜の最初の許婚。


「おじ様、お久しぶりですわ」

「・・・・・・」


ニッコリ微笑む摩耶は、どこか妖しい雰囲気を放っていた。


「おじ様、十夜を知りません? 私、十夜に会いたいのです」

「摩耶!」


遅れて、慶介が大広間にやって来た。

青い顔をして、摩耶と時臣を交互に見る。


「どういう事だ、慶介」


威圧感の滲む声に、慶介はその場に膝をつく。


「も、申し訳ございません・・・・・・」

「ねぇ、おじ様。十夜はどこにいるの? ずっと離されていたんですもの。十夜だって、会いたいはずだわ」


笑顔を浮かべる摩耶は、美しく恐ろしい。

その身に秘めているのは、純粋なまでの狂気だ。


「清香、摩耶を連れていきなさい」

「・・・・・・はい」


大広間の外で控えていたのは、慶介の妻・清香。


「さぁ、摩耶。行きましょう」

「でも・・・・・・」


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