RUBY EYE
狂想曲
―――美鶴の自室。
「月野がいない?」
美鶴がそのことを知ったのは、夕食の少し前。
いつまでたっても来ない月野を、椿が迎えに行って気づいた。
「屋敷を探していますが、恐らく外だと思われます」
「・・・・・・そう」
「それから、伊織様が綾織本家で捕らえられたと」
「・・・・・・」
美鶴はため息をつき、テーブルのカップを見つめた。
「摩耶さんを檻から出した後、抵抗することなく、捕まったと」
「あの子は、何がしたかったのかしら?」
そして、月野はどこへいるのか。
「十夜も帰っていないようだし―――騒がしいわ」
近づいて来るのは、椿の悲鳴にも似た声。
彼女があんな声を上げるなんて、珍しい。
「み、みみ、美鶴様!」
「はしたないですよ、椿」
小野瀬に諌められても、椿の興奮は収まらない。
「どうしたのです?」
「その、あの・・・・・・け、け・・・・・・」