RUBY EYE
奥底に眠るのは、同じ破壊衝動。
(でも、私はあんたと違う)
椿は、自分の手を引く秦の手を、離さぬようしっかりと握りしめた。
「教会が・・・・・・」
燃え上がる教会を、離れた場所から見つめる月野。
椿は大丈夫だろうか?
やはり、様子を見に行くべきでは?
そんな考えを振り払い、月野は痛む腕に視線を落とす。
「・・・・・・!」
嫌な気配に、月野は素早く振り返った。
「摩耶、さん・・・・・・」
闇の中、白いワンピース姿の摩耶が、背後に立っていた。
手には、抜き身の刀。
「静貴の嘘つき。殺すって言ったのに!」
悲鳴にも似た声が、闇に響き渡る。
月野は唾を飲み込み、真っ直ぐ摩耶を見た。
逃げてばかりはいられない。
「・・・・・・」
「そんな目で、私を見るな! あんたさえいなければ!!」