RUBY EYE

奥底に眠るのは、同じ破壊衝動。


(でも、私はあんたと違う)


椿は、自分の手を引く秦の手を、離さぬようしっかりと握りしめた。










「教会が・・・・・・」


燃え上がる教会を、離れた場所から見つめる月野。

椿は大丈夫だろうか?

やはり、様子を見に行くべきでは?


そんな考えを振り払い、月野は痛む腕に視線を落とす。


「・・・・・・!」


嫌な気配に、月野は素早く振り返った。


「摩耶、さん・・・・・・」


闇の中、白いワンピース姿の摩耶が、背後に立っていた。

手には、抜き身の刀。


「静貴の嘘つき。殺すって言ったのに!」


悲鳴にも似た声が、闇に響き渡る。

月野は唾を飲み込み、真っ直ぐ摩耶を見た。


逃げてばかりはいられない。


「・・・・・・」

「そんな目で、私を見るな! あんたさえいなければ!!」


< 374 / 403 >

この作品をシェア

pagetop