RUBY EYE
早鐘のような心臓に、急かされる。
「私も、好き・・・・・・です」
言いたいことはたくさんある。
どこが好きだとか、どのくらい好きだとか。
でも今は、この一言が限界。
「・・・・・・本当に?」
「うん」
「信じられない・・・・・・」
「え?!」
驚く月野に、十夜が微笑む。
「キス、してくれ。そしたら、信じられるかもしれない」
「!」
いきなりの要求に、月野はたじろぐ。
キスを、自分から?
「月野。やっぱり迷惑なんじゃ・・・・・・」
「そんなことないっ。あの、えっと・・・・・・」
先程までの緊迫した空気が、嘘のよう。
十夜が放つ甘い雰囲気に、月野は覚悟を決めた。
「目、閉じてて」
「わかった」
「・・・・・・んっ」
月野はありったけの勇気をかき集めて、十夜の唇に不器用なキスを落とした。