手をつなごう
バタバタ抵抗していたシンも
少しずつ、おとなしくなって、
呼吸も少しずつ、落ち着いていく。

[大丈夫だから。ゆっくり深呼吸してみて]

あたしに強く抱きしめられたまま
無抵抗になったシンは
ゆっくり深呼吸をする。

[落ち着いてきた?]

「はい...」

呼吸が整うと、シンはあたしから離れて
下を向いたまま座る。

[何か飲み物持ってくるね]

まだ暖かい、秋の中頃のことだった。
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