冬の桜
プロローグ
ここは、どこだろう。
気付けば奏は、しらない場所に立っていた。
ザァッ。
風が吹き荒れている。
どうやら台風でも近付いているかのような、気持ち悪くてどこか妖しい風だった。
奏は、自身のスカートが極限までまくれあがっているのも気に止めず、硬直していた。
そこには。
恐ろしいくらい端正な顔立ちの少年が立っていた。
人にはほぼ興味などもっていない奏さえも、目が離せなかった。