xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
◇
嫌な予感がする。
里音の言っていたことは、あながち間違いではないはずだわ。
まだ、確信は持てないけれど。
夜、自室のベッドに座って考え込む。
あたしがエシャルに戻ってからも、里音が掃除をしてくれていたおかげで部屋は綺麗なまま。
おまけに、可愛らしいオレンジ色の本棚も作ってくれた。
そこから、魔法の属性について書かれた本を手に取る。
最初のページを捲ると、可愛らしい妖精の絵が見えた。
最後まで読み終えたところで、部屋を出てある場所に向かう。
“コレ”に間違いないはずだわ。
両手で本を抱えて、廊下を走って。
「聞いて愛琉さん、きっと、このことじゃないかしらっ」
勢いよく開けた扉。
それなのに、どこにも彼の姿が見当たらない。
探していると、ベッドの上のタオルケットが、もぞもぞと動いていたから近寄って。
「ねぇ、ここ見て」
ベッドに腰掛けてから、見開きのページを指差しながら話しかけた。