xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
“妖精が人間界へ入り込んだ時、人間界に影響が及ぶ”
エシャルの文字で記された“コレ”こそ、あたしの伝えたい内容。
「きっと、妖精が人間界に迷い込んだんだわ。
それで異常気象が起きているのよ」
それに、昼間に感じたのは魔力の気配だった。
きっと、愛琉さんも気配に気付いたはずだわ。
どうにかして、アヴァルア校長先生と連絡を取れないかしら。
予想が事実なのかも確認したいし。
「ねぇ愛琉さん、聞いてる?」
返答がないから呼びかけるけど、それでも声は聞こえない。
ひょっとして、爆睡中?
「愛琉さんっ」
揺らしてみるけど、まだ起きてくれない。
ため息をつきながら、髪の毛を引っ張ったり頬を突っついたりしてみる。
どうしてこんなに睡眠に支配されているのか、不思議でたまらない。
昨夜、ちゃんと眠れてなかったのかしら?
「……せっかく話しに来たのに」
ベッドから降りて、今度はベッドに寄りかかるようにして床に座る。
本を両手に抱えて、静かに目を閉じた。