xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
ようやく愛琉さんと離れたところで、彼を見ずに文句をぶつける。
「どうして上半身裸なのよ」
「暑いから」
こちらは必死なのに、さらっと答えられてしまい悔しい。
こんな状況に慣れてないから、頭の中がパニックを起こしてる。
「早くっ、早く服着て」
顔が熱くなってるのが、自分でもわかる。
「ったく、うるせーな」
イライラした様子で愛琉さんはのそのそとベッドに戻ると、布団にくるまってこっちを見た。
じーっと視線を感じて、困って泳がせてしまった目。
もちろん、困ったあたしを見て彼は楽しむわけで。
「顔赤いけど、なんで?」
指摘されて火がついたように、ボッと顔が火照る。
「そ.そんなことは、ないわ」
隠すように、自分の膝に顔を埋めた。
原因はあなたじゃない。
わかりきったことを尋ねるなんて、意地悪だわ。
「あっそ。
どうでもいいけど」
興味なさそうな口調に、すぐさま苛立ちを覚えた。