xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜









途端に強い風が、部屋の中で巻き起こる。

一緒に真っ赤な花びらが、どこからか舞い上がって。



「ふふっ、久しぶりの人間界だわ」

美しい女性が、花びらの間から姿を現した。


リンス・アヴァルア、それがこの美女の名前。



昨晩、うっかり愛琉さんの部屋で寝てしまった。

今朝、騒動になったのは言うまでもない。



晴天に恵まれて、まだ薄着でも行動できる陽気だ。

落ち着いたところで、いつも通り定位置に座って朝食中。



「あなたたちに頼みたいことがあるの」

颯爽と現れたアヴァルア校長先生の口から、半分予期していた事実が述べられた。


「どうやら人間界に“妖精”が紛れ込んでしまったみたいなの」


ほらね、と愛琉さんに目配り。

すぐに逸らされてしまったけれど。



「そこで、みんなで妖精を探し出して集めてくれないかしら?」



つまり、今回の課題は【人間界に紛れ込んだ“妖精”をエシャルに連れ戻すこと】。






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