xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
「誰も協力しないとは言ってないじゃん」
ため息をついてから、あたしの隣に来た恋千くん。
俺に任せといてと、ウインク付きで告げられた。
その行動に、不覚にもときめきそうになった自分。
ダメダメ、恋千くんの行動はきっと策略なのよ。
一歩下がって考えないと、時々流されてしまいそうになるから怖い。
「残るは愛琉、だな」
里音の声に、みんなが愛琉さんに視線を向ける。
愛琉さんは一度あたしたちを見て視線を逸らすと、雑に頭を掻いて。
「言われなくても、協力してやるよ」
どこか照れくさそうに言った。
本当、素直じゃないんだから。
プライドが高いというか、何というか。
それが愛琉さんらしさ、なのかもしれないけど。
「ありがとう、みんな」
でもこれで、前と同じね。
今回は“幸せ”ではないけれど、きっと見つかるわ。
人間界に紛れ込んだ“妖精”、絶対に探し出してみせるんだから。