xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
CHAPTER■2
★輝くブレスレット
本の独特な香りが部屋中に漂う。
“天と地の魔術”、“鏡と魔法陣”、“使い魔教本”…………
「うわぁ、どれも字が読めないよう」
本のタイトルを見て、これでもないと積み重ねていく。
佐久間さんは一冊の本をパラパラ捲ると難しい顔をした。
どれもエシャルの文字だから、みんなには読めないのね。
あたしが人間界の文字を、すらすら読めないのと同じだわ。
「本当にあるわけ?
すずが探し求めてる本」
「もちろん、ちゃんとエシャルから持ってきたもの」
返答を聞くと、深いため息を零す恋千くん。
たった今あたしたちは、妖精に関する本を探している。
まずは妖精がどんなものかを知るべきでしょう?
ある程度、知識を入れておかないと。
そこであたしがエシャルから持ってきた本の中から、役立ちそうなものを選別しているのだけど……。
「俺もう飽きちゃったなー」
恋千くんは、本を投げてあたしのベッドに寝っ転がる。
読めない字と向き合うのには、相当な集中力が必要みたい。