xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
それでも尚、佐久間さんは解読しようと必死。
どう足掻いても、エシャルの文字を勉強してない彼には読めないのに。
「ねーホタル、俺つまんない」
「ぼくは楽しいよっ」
「……つまんない」
恋千くんはベッドから立ち上がって佐久間さんの隣まで行くと、そのまましゃがみ込む。
「つまんないんだけど」
「あっ……!」
不機嫌に呟くと同時に、佐久間さんの持っていた本を奪って床に座った。
きっと、かまってほしいのね。
やっぱり、恋千くんは前よりずっと甘えたがりになったみたいに見えるわ。
あたしがいない間に何かあったのかしら?
それとも、これが素?
「ヒメぇぇぇ、カミサマが邪魔するぅぅううう」
泣きそうになりながら、恋千くんを叩く佐久間さん。
まるで幼い子どもみたいね。
「邪魔してないよ、遊んでやってるんだろ」
強気な恋千くんには、到底適わなそう。
微笑ましく感じて2人の様子を眺めていると、ドタバタと駆ける足音が聞こえてきた。
「みんな久しぶり!」