xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
長くなりそうな注意を強引に遮り、みんなに席に着くように促す。
「まぁ、時々はこのくらい豪華でも悪くありませんね。
あなたの料理は、それなりに美味しいですし」
ぼそっと告げた誠の言葉に、ちょっとだけ嬉しくなる。
もっと美味しいって言ってもらえるように、がんばろう。
飲み物を取るため、冷蔵庫の扉を開ける。
テーブルに並んだ6つのグラス。
ひとつずつ手に取り、みんなの好きな飲み物を入れていった。
最後のひとつになった時、佐久間さんが階段を見上げて。
「アッキー遅いね。
まだ寝てるのかな」
「愛琉のことだから、目覚まし止めて二度寝してるんじゃない?」
どうでもよさそうに答える恋千くんの声に、あたしの動作は一時停止。
「そういえば、すず、最近愛琉とあんまり話さないよな。
言い合いしないし、寝てても起こしに行かないし」
「えっ…べ.別にそんなことな──っ!」
里音に指摘されて、思わず焦って動かした手が空のグラスに衝突。
「危なっ……」
咄嗟にテーブルから落ちかけたグラスを掴んだ里音と、手が重なった。