xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
まだ言葉を続けようとしたところで、ちょうど明るい声がした。
珍しく白いワンピースを身にまとって、彼女が笑う。
「妖精探しは順調?」
状況を知るために、きっと洋館に足を運んだのであろう。
最近では、よく遊びに来てくれるお客様なの。
風でワンピースの裾が揺れる。
相変わらず整った顔は、思わず見とれてしまいそうな美しさ。
「あなたはいつも唐突に現れますね」
「あれ、いけない?唐突じゃ」
「……いいえ」
琴葉ちゃんの独特な雰囲気や会話のテンポに、誠は流されているような気がする。
明るくて、元気で、だけどどこか憎めない。
「それでそれで、妖精は?」
笑顔で急かすように、近寄ってくる琴葉ちゃんにブレスレットを掲げる。
覗き込んできた彼女の瞳は、期待でキラキラと輝きを放っていた。
ブレスレットの飾りに、細くて綺麗な人差し指が添えられる。
日光を反射して、赤い石が瞬いた。
「綺麗……」
見惚れてため息を零すと、しばらくその石をまじまじと見つめる。
あたしは、その様子が微笑ましく感じて頬が緩んだ。