xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
CHAPTER■3
★みんなの大切な人
それから、目が覚めた時には夜だった。
眩しい照明が、わずかに開いた瞳から入り込んでくる。
雨音がするから、どうやら天気は悪いらしい。
あたしは、何をしてたんだっけ?
ここは見覚えのある、確かに自分の部屋だ。
でも、なぜベッドに寝ているの?
なぜ、こんなに頭がぼーっとするの?
左手を天に掲げたら、ブレスレットが揺れた。
綺麗な、炎と海の色……え?
海の、色?
ガバッと上半身を起こす。
頭がズキズキと痛んだ。
ブレスレットの装飾品と睨めっこしたところで、ようやく記憶を呼び起こすことができた。
そうだわ、あたし、水の妖精と会話をしたの。
それから、琴葉ちゃんが助けてくれて……記憶がなくなって。
水の妖精の魔力結晶が、新たにブレスレットに加わったらしい。
確か彼女、領域を守ってほしいって──
「っ!?」
突然ガチャリと開いた扉に、目を丸くした。