xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
あたしと目が合って、向こうも驚いているみたい。
白地に青のストライプ柄の、だぼっとしたパジャマ。
肩には、小花柄の可愛いフェイスタオルがかけられている。
ちょっと癖のある黒髪から、水が垂れるのを防ぐためだろう。
もちろん片手には、分厚い本。
「え、……誠?」
見慣れない姿に、何度か瞬きをした。
誠の部屋着姿なんて、見たことない。
しかも、小花柄のタオルって……。
「起きたんですね、みんな心配してましたよ」
近寄り、ベッドに腰掛けてこちらを見る。
「ん?」
まじまじと見つめすぎたせいか、誠の眉間にシワが寄った。
「なんでもないのっ。
ただ、意外だなーって」
「あぁ、これですか」
視線の先がタオルだと気付き、誠は小さくため息を漏らした。
「恋千にかけられたんです。
不釣り合いで面白いって。
僕の趣味じゃありません」
「ふふっ、恋千くんっぽいわね」