xxxFORTUNE 〜恋の魔法〜
黒猫さんが洋館に住んでいるのは、第一に佐久間さんの要望があったから。
佐久間さんてば、黒猫さんを気に入ってしまったみたいなの。
それで、話を少し戻すと、琴葉ちゃんは魔法学校での優秀な生徒。
たくさん書籍も残しているくらい。
あたしの尊敬している人よ。
反対に人間界にいる愛琉さんは、エシャルに行きたいという気持ちがあるみたい。
“婚約しろ”とあたしに言ったのも、あたしがエシャルの姫だから。
人間界からエシャルへ行くのは、とっても大変なの。
エシャルから人間界へは簡単なのに。
どうせ、あたしの地位がほしいだけ。
彼は、あたしのことを下僕って言っているものね。
だから無視すればいいのだけれど、できないから困ってる。
愛琉さんが本当は仲間想いなのは知っているし、エシャルに連れて行ってあげたいとも思う。
ただ、おかしいのよ、あたし自身が。
愛琉さんに言われたこと、変に意識しているし忘れられない。
よくわからないけど。
深くため息をついていると、突然開いている窓から風が流れ込んできた。