チャリパイ・スピンオフ~テロリスト羽毛田尊南~
羽毛田は勢い良く、湯船から立ち上がった!
慌てて風呂から出て、脱衣所の自販機の裏に手を突っ込んで辺りを必死に探る。
「無い!!」
自販機の裏には、もう既に鍵は無かった!
すぐさま“三十番”の脱衣入れの扉を引っ張ってみると、鍵をかけた筈のそれは何なく開いてしまった。
「トランクが無くなっている!」
そして、あの先程から聞こえていた歌は、やはり羽毛田の携帯から発せられていた。
羽毛田の風貌からは、およそ似合わないその着メロに他の客は笑っていたが、そんな事はお構いなしに、羽毛田は携帯を掴んで電話に出た。
「もしもし!」
『ご苦労さん♪カネは、確かに受け取ったよ♪』
勝ち誇ったように、犯人が言った。
「鶴田教授はどこだ!」
『脱衣入れの中にメモが入っているだろ?』
犯人の言う通り、脱衣入れの中には、一枚の紙きれが入っていた。
そしてその紙には、こう書かれてあった。
【京王プラザホテル
2105号室】
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