異世界の国のアリス
はじめましてウサギさん
「......で?あんたは結局そのウサギ拾ったわけ?奈緒!!」
「え、うん」
13:00 ジャスト
高校ではお昼休み真っ最中の時間
天海奈緒(あまみなお 17歳)はお弁当の玉子焼きをフォークで刺しながらコクリと頷く。
のんびりとした返事に机を挟んで向かいに座る池岡沙世(いけおかさよ 17歳 幼馴染)は、はぁと大きなため息を吐いた。
ため息つくと幸せ逃げるぞ、なんて
口の中に入れた玉子焼きを咀嚼して飲み込んだ
「まぁこの際拾ったもんはしょうがないけど、奈緒ってウサギ飼ったことあるの?」
「ない......けど、大丈夫!何とかなるって!」
「ったく、さすが奈緒。と、言うべきなのかしら」
目の前でうー、と唸る沙世をよそに
空になったお弁当箱を片付ける。
昨日、ウサギを拾った。
それはそれはキレイな真っ白ウサギ
普段じゃ生き物拾ったり育てたりなんてしない私なのに。
なぜかあの子は拾わないといけない気がしたんだ。