異世界の国のアリス
「...ぉ、奈緒!」
「っ!ごめん何?」
「とりあえず今日放課後図書室にでも行ってウサギの飼い方調べてきなさいよ」
「沙世は一緒に行かないの?」
奈緒の言葉に沙世は再びため息を吐いた。(む、失礼な)
「私は部活あるの知ってるでしょ」
沙世の言葉で思い出した。
帰宅部の私と違って沙世はバスケ部所属、しかもスタメンだ。
この春から2年になった私たち。
後輩も出来たからか沙世は一段と部活に熱心になっているらしい。
「じゃあ一人で図書室かぁー.......」
沙世が授業の準備をしに席に戻って行ったから奈緒もくっつけていた席を戻して準備をする。
この時間もウサギは家でひとりぼっちで居る。
『ウサギは寂しいと死ぬ』
昔、誰かがそんな事を言ってた気がする。
今日は調べて速く帰ろう。
そう心に決めて奈緒は午後の眠たくなる授業に備えてそっと欠伸を噛み締めた