異世界の国のアリス
「やっと会えた!アリス!」
急に笑顔になった男はばっと起き上がって抱きついてきた
「ひっ!!ななななな、なに、するんですか!?」
「会いたかったんだぜアリス!よかったぁ!これでこの世界とおさらばできる!」
「ちょ、は、離してください!」
耳元で叫んだのが聞こえたのか、男はしぶしぶ離れた。
はぁはぁ、と息を整えて男を見る。
部屋には私と見知らぬ男。はやく警察を呼ばなければいけない......
「あ、あの!貴方は誰、なんですか」
距離を少し開けて問いかける。
すると男は不愉快そうに眉間にシワを寄せた。
「俺だよ、ホワイトラビットのオレット」
忘れたんじゃないだろ?
そう言う俺、オレットに首を横に振る。
オレットはスラリと長いキレイな手で頭をガシガシとかく。
「じゃあなに?アリスは俺だともわからずに昨日拾ったわけー?」
「昨日......?私が拾ったのはウサギなんだけど」
「だーかーら!俺がそのウサギ」
「は?え?」
「......これならわかる?」
オレットははぁ、と息を入って指をパチンっと鳴らす。
すると目の前にいたはずのオレットの姿はなく、変わりに昨日私が確かに拾ったウサギがいた