四龍達の願い

それは、必然の出会いなのかもしれません。

早苗ちゃん、龍って知っているかい？

もちろん知っているよ！カッコいいよね！

そうだねえ。…龍で思い出したんだけど、こんなお話があったよ。

なあに？おばあちゃん教えて？

はいはい。早苗ちゃんは生き物が好きだねぇ。良いかい？

大好きだもん！いいよ！はやくはやく！

昔々、サスロットと言う王国があったのさ。そこの王様はとっても優しくて人気が高かったみたいだね。
国民の事を第一に思ってくれる人だった。そんな王様に、ある一人の女の子が生まれたんだ。
そうだねぇ、早苗ちゃんのお姉ちゃんより年上かな。その女の子の年が、そのくらいになった時の事。ある日、いつも通りに暮らしていた時に事件は起きたのさ。

「王様！騎馬隊の馬の様子がおかしいのですが…。」

と、騎馬隊の一人が王に助けを求めに来ました。私は父の側にいました。

「そうなのか！それは大変。今すぐ使いを送るので馬小屋にいてくれないか？」

「はい、ありがとうございます。では、」

父はどんな身分の人でも、平等に接している。それは、私の誇り。

「王様、話があります。」

「うむ、なんだね？」

「私達の意見、いつになったら聞いてくれるのですか。」

黒いフードつきのマントを被った人がそう言った。見るからに怪しいけれど、なにか理由があるからなのだと、その時はそう思った。いや、私は思い込んだのだ。

「わかったよ。今すぐにでも実行してみれば良いではないか。私は許さんぞ。」

そう、いきなり言うなり父は睨み付けた。今まで見たことのないような顔。

「お父様、いきなり何を言うのですか！」

私は、父を、冷静な父に戻そうとした。
もっと真剣に説得すれば、、私達は幸せだったのかもしれない。父は、私の言うことを聞かずに、怒鳴りつづける。

「いくら私とて、叶えられないものや、叶えさせないものなどあるわ！」

怒鳴り合いは続く

「だから、位を上げてもらったっていいじゃないか！」

「位を上げることは、禁じられている。無理だと言っておるではないか！」

「わかったよ。あんたがそんなに無理と言うなら…」

そういって、私の首を腕で締める。

「こいつの命は、どうなっても良いな？」