エレーナ再びそれぞれの想い
1 懐かしい波動
時は流れ、西暦2086年、
天使、エレーナ・フローレンスが前の契約者、宮原慎一と出会ってから80年が経過していた。
慎一は、既に他界。
エレーナは、慎一を失った悲しみから、ようやく立ち直りかけ、中間クラスの天使にレベルアップしていた。
エレーナは新人天使、プリシラ・ラガルトと共に、イザべラ・エレガンス幹部から呼び出しを受けていた。
「貴方には新人の指導教官として、共に人間界に行ってもらいます」
突然の辞令に戸惑うエレーナ。
「幹部、私にそのような重大な任務はまだ出来ません」
「巨大樹から力をもらい中間クラスになったんですよ。それに、宮原慎一と契約していたときにも別な新人天使の研修で指導教官を務めた実績があるでしょう」
「あれは、ほとんど慎一さんが天使を育てたようなものです。私にはとても出来ません……」
エレーナは自信がなかった。
「もっと自分に自信を持って。さあ、行きなさい。契約者がお待ちかねですよ」
エレガンス幹部はエレーナの肩を押した。
契約管理官のジェシークリスタルも、エレーナに人間界へ行く事を勧めた。
「久しぶりに、人間界に行ってはどうだ? エレガンス幹部もああ仰られている事だし」
しかし、あまりその気になれないエレーナの気持ちを理解していたジェシーは、
「お前、慎一が死んでから、ずっと落ち込んでいたもんな。
確かにあいつは、素晴らしい。お前や私達のためにいろいろしてくれた。
だが、最後の最後でお前をあんなに悲しませた。
まったく素晴らし過ぎる契約者というのも困ったものだ」
彼女は深いため息をついた。
天使、エレーナ・フローレンスが前の契約者、宮原慎一と出会ってから80年が経過していた。
慎一は、既に他界。
エレーナは、慎一を失った悲しみから、ようやく立ち直りかけ、中間クラスの天使にレベルアップしていた。
エレーナは新人天使、プリシラ・ラガルトと共に、イザべラ・エレガンス幹部から呼び出しを受けていた。
「貴方には新人の指導教官として、共に人間界に行ってもらいます」
突然の辞令に戸惑うエレーナ。
「幹部、私にそのような重大な任務はまだ出来ません」
「巨大樹から力をもらい中間クラスになったんですよ。それに、宮原慎一と契約していたときにも別な新人天使の研修で指導教官を務めた実績があるでしょう」
「あれは、ほとんど慎一さんが天使を育てたようなものです。私にはとても出来ません……」
エレーナは自信がなかった。
「もっと自分に自信を持って。さあ、行きなさい。契約者がお待ちかねですよ」
エレガンス幹部はエレーナの肩を押した。
契約管理官のジェシークリスタルも、エレーナに人間界へ行く事を勧めた。
「久しぶりに、人間界に行ってはどうだ? エレガンス幹部もああ仰られている事だし」
しかし、あまりその気になれないエレーナの気持ちを理解していたジェシーは、
「お前、慎一が死んでから、ずっと落ち込んでいたもんな。
確かにあいつは、素晴らしい。お前や私達のためにいろいろしてくれた。
だが、最後の最後でお前をあんなに悲しませた。
まったく素晴らし過ぎる契約者というのも困ったものだ」
彼女は深いため息をついた。
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