エレーナ再びそれぞれの想い
20 交渉
新天上界は遠い。
人間界、天上界、どちらから行っても、とにかく遠かった。
エレーナ達は幾度となく、瞬間移動で時空の壁を越えた。
「遠いですね。いつもこうして行くんですか?」
「ええ、でももう慣れました」
エレーナは、苦笑する。
そして、ようやくたどり着いた新天上界。
風光明媚で美しい既存の天上界と違い、天使達の居住施設や限られた種類の植物しかなく、あまりにも殺風景だった。
「何もないんですね。同じ天上界とは思えません」
シュウは、周囲を見渡した。
「こっちよ」
さやかに導かれ、シュウは業務用の建物に入って行った。
そこで、シオミ・クレハ・グランチェスタと会った。
「黒川さんの天使がどうしてここに?」
「貴方にはまだ、言っていませんでしたね。実は私も、新天上界の者です」
それより、シュウ君がどうしてここへ?」
「マリアンヌさんに会わせて下さい。話がしたいんです」
シオミに案内され、大広間の扉の前まで来た時のことだった。
「シュウ君に渡したいのもがあります」
そう言うと、エレーナは自分のピアスの片方を外し、シュウの手に握らせた。
それは、かつて前の契約者、宮原慎一にも預けたのと同じピアス……
「これは、エレーナさんの?」
「このピアスには、私の力の一部がためられています。
これが貴方をきっと護ってくれるはずです。
もし、困ったことがあったら、ピアスに強く念じて下さい。
私はどこからでもすぐに駆けつけます。
これは、私とシュウ君を繋ぐ大切な物です。
私は、天上界の存続に気を取られて、あなたのそばにあまりいられませんでした。
だから、もう二度とシュウ君を不幸にさせないように」
エレーナはピアスを握らせたシュウの指を静かに閉じた。
「エレーナさん、ありがとうございます。大切にしますね」
自分のために何も出来ないエレーナのために、新天上界まで行って交渉すると
決意したシュウ。
ピアスには、シュウが無事交渉を成立させられるようにとのエレーナの願いも込められているのだった。
人間界、天上界、どちらから行っても、とにかく遠かった。
エレーナ達は幾度となく、瞬間移動で時空の壁を越えた。
「遠いですね。いつもこうして行くんですか?」
「ええ、でももう慣れました」
エレーナは、苦笑する。
そして、ようやくたどり着いた新天上界。
風光明媚で美しい既存の天上界と違い、天使達の居住施設や限られた種類の植物しかなく、あまりにも殺風景だった。
「何もないんですね。同じ天上界とは思えません」
シュウは、周囲を見渡した。
「こっちよ」
さやかに導かれ、シュウは業務用の建物に入って行った。
そこで、シオミ・クレハ・グランチェスタと会った。
「黒川さんの天使がどうしてここに?」
「貴方にはまだ、言っていませんでしたね。実は私も、新天上界の者です」
それより、シュウ君がどうしてここへ?」
「マリアンヌさんに会わせて下さい。話がしたいんです」
シオミに案内され、大広間の扉の前まで来た時のことだった。
「シュウ君に渡したいのもがあります」
そう言うと、エレーナは自分のピアスの片方を外し、シュウの手に握らせた。
それは、かつて前の契約者、宮原慎一にも預けたのと同じピアス……
「これは、エレーナさんの?」
「このピアスには、私の力の一部がためられています。
これが貴方をきっと護ってくれるはずです。
もし、困ったことがあったら、ピアスに強く念じて下さい。
私はどこからでもすぐに駆けつけます。
これは、私とシュウ君を繋ぐ大切な物です。
私は、天上界の存続に気を取られて、あなたのそばにあまりいられませんでした。
だから、もう二度とシュウ君を不幸にさせないように」
エレーナはピアスを握らせたシュウの指を静かに閉じた。
「エレーナさん、ありがとうございます。大切にしますね」
自分のために何も出来ないエレーナのために、新天上界まで行って交渉すると
決意したシュウ。
ピアスには、シュウが無事交渉を成立させられるようにとのエレーナの願いも込められているのだった。