エレーナ再びそれぞれの想い
 サラを連れ、名陵学園由乃の学生寮に戻ったエレーナ。
シュウやさやか、そしてまなみが待っていた。
「私達に協力するには、契約が必要です。
天上界から、市川さんのパートナーとなる天使を連れて来ました」
エレーナはそう言ってサラを紹介する。
「サラ・シンフォニーって、かつてアイドル天使ってもてはやされ、今では永遠の歌姫って言われる?」
まなみは驚き、サラを指さした。
「じゃあ、アイドル天使ってキャッチフレーズは本当にだったんですか?」
シュウも驚く。
「だからいつも、本物だって言っていたじゃない。
あまり信じてもらえなかったけど」
サラはちょっと不満げ。
サラ・シンフォニーは、人間界では超有名人だ。
「確か、いつの頃からか、テレビに出なくなって、最近はライブもやらなくなっていましたよね。
もしかしてずっと、天上界の危機対応に当たられてたんですか?」
シュウは、サラが芸能活動を休止していた理由を聞いた。
「そうなのよ。天上界があんな状態でしょ。
巨大樹が枯れそうなんだから、体力を消耗する芸能活動はやめて、力を無駄使いするんじゃないって天上界から言われて。
私、一般クラスだから、上級、中間クラスのように力をためられないし、だから、天上界で大人しくしていたって訳」
「いろいろと大変でしたね」
エレーナがサラに同情した。
「とりあえず、市川さんの部屋へ案内します」
エレーナがサラをまなみの部屋へ案内した。
「この寮、ずいぶん空き室が多いわね?」
サラが、寮の廊下を見渡しながらそう言った。
「その原因、実は私なの。
少し前までみんな私を恐がって、幽霊なんか信じない! と言う人と、経済的な理由でやむおえず入寮する人以外は誰も寄りつかなくて。
あっでも、今はクラスの人達とは仲良くやっているから」
まなみは空き室が目立つ理由を説明した。
「じゃあ、来年新入生が入って来たら入寮者は増えるかもね」
サラに言われ、市川は来年が楽しみだ。
まなみの部屋に集まった一同。
「ここが私の部屋。隣は空いているから、そっちを使っていいよ」
市川とサラ、初対面ながら気が合いそうだ。
「サラさん、念のために言っておきますけど、貴方がいる事は、学校の生徒達には絶対内緒です。
貴方は有名人なんですから、もしばれたら、学校中大騒ぎになって、ライブやってとか、みんなに絶対言われますよ。
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