エレーナ再びそれぞれの想い
 学生寮に戻ってきたエレーナ。シュウは、また窓の外を眺めている。
「ご主人様、ずっとああなんです。私が話しかけても心、ここにあらずのようですし……」
プリシラから自分の留守中のシュウの様子を聞かされ、心配になったエレーナは、「シュウ君」といち度は話しかけてみたものの、話すのをやめた。
とても会話が出来る雰囲気じゃなかった。
「プリシラさん、ちょっといいですか?」
エレーナは、プリシラと校舎の屋上に降り立った。
エレーナは、シュウが自分たちの目を離したすきに死亡したことや、今のシュウが幽霊であること、そして本人が、そのことに気づいていないことなどを話した。
「そんな」
プリシラは絶句。
「人が亡くなること事態、私達でもどうすることも出来ません。
でも、契約者が最期を遂げる時までそばにいなければなりません。
あの日、シュウ君が病院に行った日、拒まれても付き添うべきでした」
エレーナ達はひどく後悔した。
そしてシュウに本当の事をどう伝えるべきか悩んだ。
< 15 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop