エレーナ再びそれぞれの想い
「しかし、前例が無いという事は、やってみる価値はありそうですね。
でも、力を使い果たせば、死ぬことだってあるかもしれないですよ」
とも言った。
可能性はあるかもしれない。
でも、エレガンス幹部の立場からすれば、部下達にそのような危険な仕事はさせられない。
エレガンス幹部は、可能性とリスクとのはざまで気持ちが揺れた。
彼女が、死の可能性に言及したのは、さやか達に思いとどまって欲しいという気
持ちが含まれていたのかもしれない。
「私やります。シュウ君や市川さんがあそこまで頑張っているのに、自分だけ
何もしないという訳にはいきません。サラさんもやるわよね?」
「私も、やります」
さやかの考え出した、あまりにもリスクの高い方法に戸惑ったサラだが、
シュウ、市川、さやか、までもが協力するのに、自分だけ嫌とは言い出せない雰囲気を感じ取ったサラ。
彼女はつい、流れでやると言ってしまったものの、どうせ何もせず死ぬくらいなら
ばと、後から決意を固めた。
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