エレーナ再びそれぞれの想い
 名陵学園由乃学生寮、さやかと、サラが、戻って来た。
シュウ、エレーナ達が出迎えた。
「えっ、中間クラスへ昇格したんですか?」
突然のふたりの昇格にエレーナは驚いた。
「元人間の私達なら、少しでも人の心が残っているかもしれないから、それを巨大樹に
捧げれば、少しは可能性があると思って、幹部達に提言したの」
さやかは、エレーナに天上界での事を話した。
「でも、そのままやれば、途中で力尽きるかもしれず危険だからって、エレガンス幹部
達が、より力をためられる中間クラスしてくれたって訳。その方が安全に力を使えるん
だって」
サラが、補足する。
さやかは、巨大樹から垂れ流しのままの僅かな力を少しでも天使達にためさせるべく、
幹部達は一部の天使達を昇格させている事を話した。
そして、幹部達の間でエレーナを上級クラスに格上げする案が浮上している事も。
「そこまで状況が悪くなっているんですか。でもなぜ私を?」
エレーナは、なぜ自分が上級クラス格上げ候補になっているのか分からない。
自分よりもっと相応しい人がいるのではと思った。
「そうだ、私よりジェシーさんの方が上級クラスに相応しいと思います」
「そう言えば、ジェシーさんの上級クラス、昇格の話しはなかったよね」
さやかが、サラと顔を見合わせた。
「でも、ジェシーさんはすごく優秀ですし、いざという時に頼りになります」
「それは、幹部達の意向だから、私達には分からないわ」
と、サラが答える。
「エレガンス幹部に、きっと何か考えがあっての事かもしれないわ」
さやかは、あれこれとエレガンス幹部の考えそうな事を想像してみたものの、何も思い
つかなかった。
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