エレーナ再びそれぞれの想い
 名陵学園由乃高校のグラウンドには、エレーナ達に導かれ、たくさんの生徒達が集ま
った。
そして天上界では、幹部達、その他、多くの天使達が集まり、準備が整った。
マリアンヌをはじめ、元新天上界の面々も、天上界と人間界、二手に分れ、天上界存続
のため協力し合う。
「さあ、私達も願いましょう。人間社会が良くなりますように。
そして天上界が存続しますようにと」
サラは、ライブ会場からテレビ中継であれほど頑張っている。自分も負けていられない

エレーナは気持ちを引き締めた。
エレーナが合図をすると、シュウ、まなみ、さやか、が願う。人間社会が良くなるよう
に、そして天上界が存続するようにと。
黒川親子、塚本千鶴も仲間に加わって願い始めた。
「えっ? ちょっと、みんなどうしちゃったのよ?」
なつみは、辺りを見渡した。
そして、中沼や真紀までもが願う姿に、
「待って、わっ、私もやるわよ」
みんなに置いて行かれまいとなつみも慌てて願い始めた。
エレーナは、天使の杖をしっかりと握り締め、空に向ける。
たとえ、清らかな心とまでもいかなくても、より良い人間社会、天上界の存続を強く望
む純粋な思いがあれば、一時的であっても人は清らかになれる。
その一途な想いが清らかな心に似たパワーを出す。
純粋に何かをこうしたいという思い、そしてそれを思い続けている時、人は一時的にピ
ュアな気持ち、ピュアな心になれる。
みんなが同じ思いを強く持てば、きっとこの状況は乗り越えられる。
エレーナは、そう確信した。
皆の想いが一つとなり、巨大樹を支えるための力となっていく。
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