エレーナ再びそれぞれの想い
 天上界、
「シュウが消えた……」
ジェシー・クリスタルは、シュウの消滅を感じ取った。
エレガンス幹部もそれを感じ取っていた。
名陵学園由乃高校グラウンドにいた、さやか、他の天使達も皆ショックを受けた。
「このままじゃ、エレーナの心がもたない」
ジェシーが、心配した。
「エレーナなら大丈夫です。もう以前のエレーナではありません」
エレガンス幹部は、エレーナを信じる。
エレーナは、シュウを失った悲しみを乗り越えて、役目を果たしてくれると。
エレーナは、涙が止まらない。それでも、天使の杖を空に向け、
「みんな、幸せになれ!」
と願う。人々や天使達の想いが大きな力となって、天使の杖に集まっていく。
想いを蓄えた杖は、次第に重たくなり、エレーナは足を踏ん張るものの、限界に達する

もうだめと思った時、誰かが杖に手を掛けた。
「私も手伝うわ」
さやかが杖が重い事に気づき、持つのを手伝った。
一方、サラ・シンフォニーも、自らのライブ会場に集まった人々の想いを一つにし、天
上界へ向けて送り続けていた。
皆の想いは、空高く天上界へ向け昇って行く。
  
「エレガンス幹部、見て下さい。人間達の幸せを願う想いです。
皆、幸せな人間界、天上界の存続を心から願っています」
ジェシー・クリスタルが、湧きあがって来る想いの力を指さしてそう言った。
「何か、暖かいものを感じますね」
エレガンス幹部は一瞬微笑み、
「巨大樹が生命力を回復出来るように、私達も頑張りましょう」
気持ちを引き締めた。
天上界にいる幹部達、その他天使達は、人間界から来る想いの力を巨大樹に与え続ける

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