エレーナ再びそれぞれの想い
そしてシュウの部屋の窓のそばに女子生徒の姿が、浮かび上がった。
「幽霊!」
だが、なぜか、在校生とは違う制服を着ている幽霊。
その幽霊は、音もたてずにシュウに近づき話しかけた。
「貴方も私と同じ幽霊なのね」
「え? 同じって?」
シュウはまだ、この時点で彼女の言葉の意味が理解出来ていない。
「貴方、新入生? 可愛いね」
女子生徒の幽霊はシュウを女と見間違えた。
シュウは、女顔に女声。女装すれば、完璧に女性と区別がつかない。
「あの、僕、一応男なんですけど……」
シュウが自信なさそうに言うと、
「うそーっ、こんなに綺麗なのに。じゃあ、どうしてなぜ女子の制服を着ているの?」
「あっ、いや、これはその、柚原なつみさん達にいじめられて、自分の制服取り上げられちゃって。ここは女子高だから、学校にいたければこれを着ろって」
「いろいろと大変なのね。でも私の言う通りにしていればこれ以上いじめられないよ」
幽霊は、なつみにいじめられないようにするにはどう対処すべきかアドバイスをした。
「分かった。いろいろありがとう。あの、その……」
シュウは、幽霊に名前を聞こうとする。
「まなみよ。市川まなみ。貴方は白川シュウ君でしょ?」
「ええ!」
驚くシュウ。
「どうして僕を知っているんですか?」
「寮の人達はみんな知っている。毎日見ているから」
「ところでまなみさんは、どうして僕たちと制服が違うんですか?」
「ああこれ、共学になる前の制服だから。私、少し前に死んじゃって。
ほら、幽霊って普通の人には見えないでしょ。声も聞こえないし。
だからずっと独りでぼっちで……
でもこの学校で別の幽霊に出会うなんて思わなかった。友達が出来てよかった」
まなみは微笑んだ。
「ちょっと、僕が幽霊だって!?」
「貴方、まさか自分が幽霊だって気づいていないの?」
まなみは呆れた。そしてすぐに、
「貴方はなぜか人に姿が見える。自分でも気づかなくてもしょうがないよね。
私は誰にも見えない。だから誰にも気づいてもらえない。じゃあ、また遊びに来るね」
そう言うとまた、強風が吹き、カーテンが窓になびき、まなみは消えた。
消えていた部屋の灯りがついた。
「今のは一体何だったんだ」
シュウは独り、呆然とたたずむ。
部屋のドアが開いた。
「こんなところにいたんですか。探しましたよ」
エレーナ達が帰って来た。
「幽霊!」
だが、なぜか、在校生とは違う制服を着ている幽霊。
その幽霊は、音もたてずにシュウに近づき話しかけた。
「貴方も私と同じ幽霊なのね」
「え? 同じって?」
シュウはまだ、この時点で彼女の言葉の意味が理解出来ていない。
「貴方、新入生? 可愛いね」
女子生徒の幽霊はシュウを女と見間違えた。
シュウは、女顔に女声。女装すれば、完璧に女性と区別がつかない。
「あの、僕、一応男なんですけど……」
シュウが自信なさそうに言うと、
「うそーっ、こんなに綺麗なのに。じゃあ、どうしてなぜ女子の制服を着ているの?」
「あっ、いや、これはその、柚原なつみさん達にいじめられて、自分の制服取り上げられちゃって。ここは女子高だから、学校にいたければこれを着ろって」
「いろいろと大変なのね。でも私の言う通りにしていればこれ以上いじめられないよ」
幽霊は、なつみにいじめられないようにするにはどう対処すべきかアドバイスをした。
「分かった。いろいろありがとう。あの、その……」
シュウは、幽霊に名前を聞こうとする。
「まなみよ。市川まなみ。貴方は白川シュウ君でしょ?」
「ええ!」
驚くシュウ。
「どうして僕を知っているんですか?」
「寮の人達はみんな知っている。毎日見ているから」
「ところでまなみさんは、どうして僕たちと制服が違うんですか?」
「ああこれ、共学になる前の制服だから。私、少し前に死んじゃって。
ほら、幽霊って普通の人には見えないでしょ。声も聞こえないし。
だからずっと独りでぼっちで……
でもこの学校で別の幽霊に出会うなんて思わなかった。友達が出来てよかった」
まなみは微笑んだ。
「ちょっと、僕が幽霊だって!?」
「貴方、まさか自分が幽霊だって気づいていないの?」
まなみは呆れた。そしてすぐに、
「貴方はなぜか人に姿が見える。自分でも気づかなくてもしょうがないよね。
私は誰にも見えない。だから誰にも気づいてもらえない。じゃあ、また遊びに来るね」
そう言うとまた、強風が吹き、カーテンが窓になびき、まなみは消えた。
消えていた部屋の灯りがついた。
「今のは一体何だったんだ」
シュウは独り、呆然とたたずむ。
部屋のドアが開いた。
「こんなところにいたんですか。探しましたよ」
エレーナ達が帰って来た。