エレーナ再びそれぞれの想い
新しい友達も出来ますし、エレーナさんに頼めば、人に姿が見えるようになりますよ」
まなみは、静かにうなずいた。
エレーナは、まなみに見えない物を見えるようにする光をかけた。
 
「今日からこのクラスに編入した市川まなみさんです
市川さん、みんなに自己紹介をして」
佐倉先生がまなみを紹介する。
「市川まなみです。皆さん宜しくお願いします」
まなみはすぐにクラスに打ち解けて友達を増やしていった。
まなみは、シュウやエレーナのおかげで独りじゃなくなった。
まなみは、シュウやエレーナに感謝した。

それから、シュウがいじめやトラブルに巻き込まれたとき、まなみはいつも姿を消して味方をするようになった。
まなみの適切なアドバイスやフォローのおかげで、シュウはトラブルを難なく乗り切れるようになったのだ。
 学校の連中は、まなみの正体に誰も気づいていない。
その後も、なつみは次々とシュウに追い出し作戦を企てたが、まなみの完璧なフォローにどれもことごとく失敗した。
まさか、幽霊がシュウに味方しているとは、なつみも気づくはずはない。
「もうこんなことやめようよ。いつも空振りじゃん」
なつみの仲間からもそんな声が聞こえるようになってきた。
「何を言っているの。あいつがいる限りこの学校は良くならない」
「何をやっても全部かわされてしまうし、それにあっちは委員長という強力な味方までいる。これじゃ、一方的に不利だよ」
「私、白川はなつみさんが考えるほど、この学校に害じゃないと思います」
真紀もなつみに異見した。
「真紀、あなたまで!」
なつみの求心力は徐々に落ち始めた。なつみは、さらに焦った。
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