エレーナ再びそれぞれの想い
「分かりました。すぐ、エレーナさんに知らせます。それと、ご主人様……」
プリシラは去ろうとするシュウを呼び止めてこう言った。
「私もすぐに向かいますから、ご主人様は決して無理をなさらないで下さいね。
私、ご主人様が傷つけられるのは嫌ですから」
「心配してくれてありがとう。分かりました。僕、無理はしません」
そう言うとシュウは再び体育倉庫に急ぐ。
倉庫のそばに降りると息を潜めた。
なつみ達がまだ体育倉庫の周りにいる。
「早く、市川さんを助け出さないと。でも今出て行くのはまずいな。
エレーナさん達が来るのを待とう」
シュウは、エレーナ達が来るのを待った。
しかし、ふたりともなかなか来ない。
「ふたりとも遅いな」
シュウは待ち続けた。そしてついに、
「もう、待てない」
シュウは、なつみ達に気づかれぬよう、倉庫の裏にまわり、まなみを脱出させる方法を探った。
倉庫の裏はなつみの手下の見張りもいない、意外と無防備な場所だ。
「そうだ、これだ!」
シュウは以前、まなみに教わったポルターガイストを思い出した。
「でも、封印の札をはがせるかな? とにかくやってみよう」
誰も近くにいない事を確認し、
「よし、今だ!」
シュウは、心の中でつぶやくと、倉庫の出入り口とは反対側の壁に貼り付けてあるお札
に霊力を集中させた。だが、封印の札はそう簡単には剥がれない。
シュウは、霊力のパワーを上げた。
辺りの、草木がざわめき始まる。
「何! 何が起きたの?」
なつみ達は、辺りのざわつきに気づき始めた。
やがて、シュウのポルターガイストによって、札が次々とはがれ落ちた。
シュウは、体育倉庫の壁を通り抜け、中へ入った。
「市川さん」
「シュウ君、来てくれたんだね」
ふたりは再会を喜ぶ。
「無事だったんですね。なつみさん達が倉庫全体に封印の札を貼ったんで出られなくなっていたんです。
全部はがしたのでもう出られますよ」
その頃、なつみは、倉庫の周囲に散らばったお札を拾い上げた。
「なるほど、そういう事ね」
なつみはニヤリと笑った。
シュウとまなみは倉庫を出た。
なつみが異変に気づき、待ち構えているとも知らずに。
「そこまでよ!」
シュウとまなみは、なつみ達に取り囲まれた。
「市川さん、逃げて。早く!」
「私は、あんたが嫌い。白川家の人間もみんな嫌い。私は昔、白川家に棄てられた。
プリシラは去ろうとするシュウを呼び止めてこう言った。
「私もすぐに向かいますから、ご主人様は決して無理をなさらないで下さいね。
私、ご主人様が傷つけられるのは嫌ですから」
「心配してくれてありがとう。分かりました。僕、無理はしません」
そう言うとシュウは再び体育倉庫に急ぐ。
倉庫のそばに降りると息を潜めた。
なつみ達がまだ体育倉庫の周りにいる。
「早く、市川さんを助け出さないと。でも今出て行くのはまずいな。
エレーナさん達が来るのを待とう」
シュウは、エレーナ達が来るのを待った。
しかし、ふたりともなかなか来ない。
「ふたりとも遅いな」
シュウは待ち続けた。そしてついに、
「もう、待てない」
シュウは、なつみ達に気づかれぬよう、倉庫の裏にまわり、まなみを脱出させる方法を探った。
倉庫の裏はなつみの手下の見張りもいない、意外と無防備な場所だ。
「そうだ、これだ!」
シュウは以前、まなみに教わったポルターガイストを思い出した。
「でも、封印の札をはがせるかな? とにかくやってみよう」
誰も近くにいない事を確認し、
「よし、今だ!」
シュウは、心の中でつぶやくと、倉庫の出入り口とは反対側の壁に貼り付けてあるお札
に霊力を集中させた。だが、封印の札はそう簡単には剥がれない。
シュウは、霊力のパワーを上げた。
辺りの、草木がざわめき始まる。
「何! 何が起きたの?」
なつみ達は、辺りのざわつきに気づき始めた。
やがて、シュウのポルターガイストによって、札が次々とはがれ落ちた。
シュウは、体育倉庫の壁を通り抜け、中へ入った。
「市川さん」
「シュウ君、来てくれたんだね」
ふたりは再会を喜ぶ。
「無事だったんですね。なつみさん達が倉庫全体に封印の札を貼ったんで出られなくなっていたんです。
全部はがしたのでもう出られますよ」
その頃、なつみは、倉庫の周囲に散らばったお札を拾い上げた。
「なるほど、そういう事ね」
なつみはニヤリと笑った。
シュウとまなみは倉庫を出た。
なつみが異変に気づき、待ち構えているとも知らずに。
「そこまでよ!」
シュウとまなみは、なつみ達に取り囲まれた。
「市川さん、逃げて。早く!」
「私は、あんたが嫌い。白川家の人間もみんな嫌い。私は昔、白川家に棄てられた。