エレーナ再びそれぞれの想い
12 すれ違う心
一方、なつみが、学校で刀を振り回し、シュウやエレーナを襲った事件を重く見た学校側は、なつみを当分の間、停学処分にした。
なつみの手下達も、厳重注意となり、これでしばらくは、シュウやエレーナ達は平和に過ごせるようになったかのように見えたのだが……
シュウが驚くべき行動に出た。
シュウは、職員室に押し掛けると、なつみの停学処分を早期に解除してほしいと教師達に嘆願したのだ。
「自分の言っている事が分かっているのか?
君も被害者のひとりじゃないか?」
教師達は呆れ返った。
「そこを何とか、お願いします。柚原さんも今頃、深く反省していると思います。
僕の責任に置いて、もう2度とこのような事はさせません」
シュウは何度も謝る。
「何で、被害者の君があやまるんだ?」
教師達は、シュウの気持ちが理解出来ない。
「全ては、柚原さんが僕を憎んでやったことです。
憎まれる理由は全く心当たりがありませんが、きちんと柚原さんに訳を聞いてみようと思います。
どうか、僕を信じて下さい。必ず何とかします。
だから、処分を早く解除して上げて下さい。
もし、何かあれば、僕も退学覚悟で連帯責任を取ります」
教師達は、シュウがいくら嘆願してもなつみの停学解除を許さなかった。
当然であろう。
職員室のドア越しにシュウと教師達のやり取りを、真紀がひそかに聴いていた。
シュウは、さらにこんな事まで始めた。
学校が終わると、授業内容の写しをなつみの部屋に届け始めた。
シュウがなつみに届けるコピーを整理していると、黒川に声を掛けられた。
「これ、黒板の写しね。こんなにたくさんどうするの?」
「これから、なつみさんに届けるんです」
「じゃあ、私も一緒にいくね」
ふたりで寮のなつみの部屋を訪ねた。
「こんな事してって頼んだ覚えないわよ」
なつみは、相変わらずシュウに反発した。
「でも、授業に遅れると困るでしょ? 要らなかったら捨てても構いませんから」
そう言ってシュウは微笑んだ。
「あんた馬鹿? 私があんたやあの天使に何をしたか分かってんの?
とんでもない大馬鹿者のお人良しね」
なつみは、シュウの気持ちが全く理解できない。
シュウと黒川は、毎日ノートのコピーを届けた。
「どうして、柚原さんに優しくするんですか?
学校の先生達にまで柚原さんの停学を解除してって頭を下げたり。
なつみの手下達も、厳重注意となり、これでしばらくは、シュウやエレーナ達は平和に過ごせるようになったかのように見えたのだが……
シュウが驚くべき行動に出た。
シュウは、職員室に押し掛けると、なつみの停学処分を早期に解除してほしいと教師達に嘆願したのだ。
「自分の言っている事が分かっているのか?
君も被害者のひとりじゃないか?」
教師達は呆れ返った。
「そこを何とか、お願いします。柚原さんも今頃、深く反省していると思います。
僕の責任に置いて、もう2度とこのような事はさせません」
シュウは何度も謝る。
「何で、被害者の君があやまるんだ?」
教師達は、シュウの気持ちが理解出来ない。
「全ては、柚原さんが僕を憎んでやったことです。
憎まれる理由は全く心当たりがありませんが、きちんと柚原さんに訳を聞いてみようと思います。
どうか、僕を信じて下さい。必ず何とかします。
だから、処分を早く解除して上げて下さい。
もし、何かあれば、僕も退学覚悟で連帯責任を取ります」
教師達は、シュウがいくら嘆願してもなつみの停学解除を許さなかった。
当然であろう。
職員室のドア越しにシュウと教師達のやり取りを、真紀がひそかに聴いていた。
シュウは、さらにこんな事まで始めた。
学校が終わると、授業内容の写しをなつみの部屋に届け始めた。
シュウがなつみに届けるコピーを整理していると、黒川に声を掛けられた。
「これ、黒板の写しね。こんなにたくさんどうするの?」
「これから、なつみさんに届けるんです」
「じゃあ、私も一緒にいくね」
ふたりで寮のなつみの部屋を訪ねた。
「こんな事してって頼んだ覚えないわよ」
なつみは、相変わらずシュウに反発した。
「でも、授業に遅れると困るでしょ? 要らなかったら捨てても構いませんから」
そう言ってシュウは微笑んだ。
「あんた馬鹿? 私があんたやあの天使に何をしたか分かってんの?
とんでもない大馬鹿者のお人良しね」
なつみは、シュウの気持ちが全く理解できない。
シュウと黒川は、毎日ノートのコピーを届けた。
「どうして、柚原さんに優しくするんですか?
学校の先生達にまで柚原さんの停学を解除してって頭を下げたり。