エレーナ再びそれぞれの想い
 シュウとエレーナ達は一生懸命なつみの心を開かせようとするが、
「もう私に関わらないで!」
なつみはひたすら拒絶。
「そんな言い方はないんじゃないですか?
白川もエレーナさん達も、皆、貴方がクラスメイト達と以前のように仲良く出来るようにしようと、しているんじゃないですか。
あの人達はすごくいい人達です」 
「あんたまで、あいつらの肩を持つの!」
なつみと真紀は口論になった。
「なつみさんがすぐに復学出来たのは、どうしてだと思いますか?
白川が必死で貴方を許してほしいと先生方に頼んでくれたからですよ」
なつみは一瞬かなり驚いたものの、すぐに怒った表情に戻り、
「余計な事しないでって言ってるでしょ!」
それから、少し間を置き、真紀を指差し、こう言った。
「真紀、あんたね? 先生達に許してくれるよう白川に、口添えを頼んだの!」
「私は、決してそんな事はしていません」
真紀は強く否定する。
「あんたは、最近白川達と仲いい。だから絶対そうに違いないわ!」
「なつみさん、これは僕が勝手にやった事で、真紀さんは無関係です」
シュウが真紀をフォローする。
「私は、貴方のためを思うばかり、つい、悪い事にまで手を染めてしまいました。
この人達にひどい事をしたと、今は自分でも大変後悔しています。
ですから、もうこれ以上貴方に従えません」
真紀は教室を飛び出した。
「待って、真紀さん!」
シュウの呼び止めにも応じず、真紀は行ってしまった。
「いいんですか、追いかけなくても?」
「うるさい!あんな奴ほっとけばいいのよ!」
なつみは怒鳴った。
「いくら何でもひどすぎます。そんな事言われたら、真紀さん傷つきますよ」
シュウは、真紀に対するなつみの態度が許せない。
「そうよ。やり過ぎよ。今のうちに真紀さんの所に行って謝って」
黒川も謝りに行くべきだと、なつみに助言するが、
「黒川さんまでそこまで言わなくても!」
なつみは、誰とも口を利かなくなってしまった。
それからだった。真紀が学校を休むようになったのは。
 「真紀さん、今日は学校に来ていませんね。
昨日なつみさんと喧嘩したのが、よほど響いたのでしょうか?」
シュウは、心配する。
次の日も、真紀は休んだ。
「真紀さん、今日も来ませんでした。
心配だからみんなで、様子を見に行きませんか?」
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