時空連鎖のクロノス


次の日



昨日はよく眠れた。
俺は寝間着だった。

空がきれいだ。

そうだ。真がしんだなんて、嘘だ。夢だったんだ。

今日学校で話してやろう。

俺が布団…ベッドから降りたときだった。

カシャン と音を立てて金色の何かが落ちる。



時計。


「夢じゃ、ない…?」

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。

俺はあわてて私服に着替えて出る。

「はーい」

「…雪、だよ」

「雪?」

俺は玄関の鍵を開けた。

雪はふらついた足取りで玄関から家に入ってくる。

…黒い大きなビニール袋をおぶって。

「とりあえず、俺の部屋来る?」

雪は静かに頷いた。


雪は俺の部屋に入るなりいきなり鍵をかけた。

「なっ…雪?」

「真を殺したの、唯鹿だよねぇ?」

「何、言って…」

雪はビニール袋のなかからなにかを取り出す。

鳥肌が立つ。見てはいけない。見るな。

「そうだよねぇ?」

「郁奈ちゃん」、と雪は囁く。

「あ…あ…」

ビニール袋から取り出されたのは、

バ、ラ、バ、ラ、に、な、っ、た、か、な


「っ雪!?一体…」

「最初はね、郁奈ちゃんかと思ったの。でも違った。だったら、唯鹿だよねぇ?」

「なんの、ことだ…?」

雪は大きな包丁を取り出した。

「私が…私が、仇をとってあげるんだぁ…」

「雪っ!よせっ!雪っ!」

雪は容赦なく包丁を振るう。

俺は咄嗟に近くにあった金属バットを盾にする。

金属同士の嫌な音。

俺は振り下ろされた包丁をはねのける。

「きゃっ……」




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