時空連鎖のクロノス



「ねぇ、聞いてるっ?聞いてるのっ?」

「え?」

「全くもう…待ち合わせの時間が一時間以上すぎているのに郁奈ちゃんも真も良樹も来ないし、唯鹿はずっと黙ってるんだもん!」

雪が怒鳴り気味に言う。

「あ。あぁ、ごめん。」

「全く…あ。もしかしたら、皆神社にいたりして。唯鹿が急に待ち合わせ場所を変えたから…」

神社、という単語にびっくりする。

「行く、のか…?」

「だって、いるかもしれないしね」

「…そうだな」

俺が神社に着いたときには郁奈はいなかった。

真も良樹もいない。

多分真は死んでいる。

じゃぁ、良樹は…?

突然真横から足音が聞こえた。何かが飛び出してくる。

何かがぶつかる。

何かが刺さった。

「なっ……」

「た、唯鹿!?良樹っ!?」

「どうして…阿万寿を殺したんだ?」


「殺して、な……」

俺はそのまま地面に叩きつけられた。

ポケットの時計が飛び出す。


目の端で雪が崩れる。 良樹が沼の方向へと走り去る。

時計を踏んだ。







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